手袋をはめた様にぴったり、寝室を兼ねたLDK
〈9430〉
https://anity.ootaki.info/9430/
私の考える良い住まいとは、「狭いのに広く感じさせる住まい」です。「広い住まいは良い住まい、狭い住まいは良くない住まい」なのでしょうか。私は長くこの仕事を続けてきて、そうではないと考える様になりました。そのきっかけとなったマンションをご紹介します。
「定年を迎えたので、ひとりで暮らしやすくしたい」と、住まいてさんからご要望をいただき、加齢に備えた配慮も施したマンションリフォームです( 2019.08.01)
2019.08.01
さて「狭いのに広く感じる住まい」にするために大切にすることは、「対角線の見通しが効くこと」です。 2DKの間取りから間仕切り壁を撤去して、寝室とLDKをワンルームにしました。 その中心に、多目的な造り付け収納家具を取り付け、寝室とリビングとをゆったりと間仕切ることにしました。
収納家具の高さを低く抑え、部屋のどこにいても空間のひろがりを感じることができます。 住まいてさんは毎日、小机に向かって正座し筆をとるそうです。
リビング側には、ガス暖房機と引き出しになっています。 短辺側の扉の中には、圧縮した布団が入っています。
反対の寝室側もガス暖房機と引き出しになっています。 この家具がベッドを、少しだけ隠してくれます。 本来はリビング側から、ベッドは見えない方がいいのでしょうが、 それでは空間を狭く感じさせてしまうので、少しだけ隠すことにしたのです。
少しだけ隠すことにより、リビングを訪ねた来客さんには、 ベッドが目に入ったとしても、心には見えていないはずです。
狭いのに広く感じさせるために、もう一つ大切なことは、 収納スペースを必要以上にとらないことです。
多くのものを持たなければ、収納スペースは広くなくてもいい、 大切なもの、必要なものだけを、造り付け家具に置ければいい。 そんな潔いライフスタイルの住まいてさんに合わせた、マンションリフォームでした。
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