明るい窓を左側にする身体の方向で、庭との一体感を得る
〈9413〉
https://anity.ootaki.info/9413/
車いすユーザーのマンションリフォームでは、水回りや寝室の使い勝手が優先されますが、住まいとして大切にしなければいけないことがあります。それは、「普段の居場所をどこにするか、身体を向ける方向をどの面にするのか」ということです。このお住まいでは、西側の壁に造り付け家具とテレビを設置して、明るい窓を左側にする、LDKの使い勝手にしました。
住まいてさんがもっとも長く過ごす明るいLDKに、机を造り付けました。マンションリフォーム( 2019.08.09)
2019.08.12
玄関から続く廊下の左右に、寝室や水回りが並び、廊下の突き当たりがLDKになっている、典型的な4LDKの間取りでした。 細長い廊下の左右の壁を撤去して、広く短く感じさせる廊下としました。
「普段の居場所をどこにするか、身体を向ける方向をどの面にするのか」を、初めてこのマンションを訪ねた時から考えていました。
明るい掃き出し窓を左側にすると、右側よりも明るく感じられるのは、本能なのでしょうか。 私たちは無意識に、左側の印象を空間全体の印象として捉えている様です。 その様な勝手となる様に机を造り、住まいてさんの第1の居場所としました。
「レゲエをずっと流しっぱなしにするLDKにしたい」と、陽気な住まいてさんからの要望でした。壁一面に造り付けた家具の上に、大型テレビを固定しました。
家具の背面の壁は、隣りの住戸との間仕切り壁なので、この家具を壁には固定せず、床に固定しています。
LDKの隣りのコーナー配置の和室は、来客用の寝室として残しました。 この画像にはありませんが、3枚引き襖が2組でLDKと間仕切ります。
以前は対面型キッチンでしたので、ダイニングを狭くしてしまい、車いすで回転することができませんでした。 新しいシステムキッチンは、コンパクトにして隅に設置しました。
以前システムキッチンがあった所を、造り付けテーブルとしました。
キッチンでの調理は、ヘルパーさんにお願いすることになるので、あえてバリアフリーキッチンにするのではなく、ヘルパーさんの使い勝手を優先しました。 造り付けテーブルの高さは車いすで使いやすい様に、80cmと高めにしました。
このテーブルが食事をするだけでなく、住まいてさんの第2の居場所となります。
これだけ大きなテレビなので、ダイニングテーブルからでも楽しめます。 どこにいても音楽がある、映像がある、楽しいお住まいとなりました。
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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)
有限会社 大滝建築事務所 代表
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