浴槽がなくてもオーバーヘッドシャワーで温まれるシャワーユニット
〈9409〉
https://anity.ootaki.info/9409/
「浴槽に入らずに、脚を伸ばしてゆったりとシャワーを浴びたい」「寒い時期でも温まれる様にしたい」とのご要望でした。車いすユーザーの住まいてさんなので、シャワーユニット全面に車いすから移乗しやすい入浴台を設置し、車いすから移乗しやすくするために、車いすを囲う様に、手前まで跳ね出す形になりました。
安全にシャワー浴できる様に、浴槽のないシャワーユニット(浴室)の全面に、入浴台(移乗台)を設置しました。手前の欠き込みのある入浴台は、その後作り直しました( 2019.08.13)
2019.08.15
浴槽のないユニットバス、シャワーユニットです。一般的なシャワーユニットはサイズがいくつもなく、壁の裏側に空間を余らせてしまうことがあり、わずかな空間でももったいないものです。
そこで、25mmピッチで寸法で製作できる、「ハーフオーダー」のシャワーユニットを選びました。既存のユニットバスの解体からリフォーム工事を始め、解体後に正確に採寸し、できるだけ大きなサイズとなる様にしました。
シャワーユニットの大きさは、「1750mm x 1325mm」まで広げることができました。全面に入浴台を設置しました。高さは車いすの座面の高さに合わせた、485mmです。
住まいてさんは入浴する際、両足を前の投げ出す様に伸ばして、まずは両足を右側になる様に進み、切り返す様に背もたれに背中を寄せていきます。
入浴台に両足を「ハの字」に開いて、「背もたれ」にゆったりと寄りかかります。背もたれと壁との隙間に腕を落として、背もたれに体を引き寄せたり、背もたれに肘を掛けて、背中を伸ばすことができます。
背もたれに寄りかかった姿勢で使いやすい壁面に、シャワーを上下2段、取り付けました。下段のシャワー水栓は、通常のハンドシャワーです。
上段のシャワー水栓は、天井ほどの高い位置にある、オーバーヘッドシャワーです。温かい大粒のお湯にうたれる様にしての入浴です。冬でも温まってもらいたいので、浴槽がない代わりに、この方法を考えました。
このオーバーヘッドシャワーは、大きな散水板からふりそそぐ大粒のお湯がで、全身を効率よく温めてくれます。天井に取り付けた暖房乾燥機も、シャワーユニットを暖めてくれます。
この様な入浴台の欠点は、床や排水口の掃除がしにくくなることです。入浴台は4組に分割しましたが、それでも大きく重いので、女性のヘルパーさんでは難しいそうです。
実は、手前の欠き込みのある入浴台を造り直しました。住まいてさんに使っていただいたところ、「欠き込み左右の手を載せる部分が狭くて、濡れている手では滑って落ちそう」と、心配とのことでした。
作り直した入浴台は、左側は洗濯機いっぱいまで拡げ、右側は引き戸まで拡げました。入浴後、住まいてさんは、後ろ向きで車いすに戻ってきますが、「楽になった」とのことでした。
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