応接だけでなく、胡座がかけて、横にもなれるベンチ
〈9389〉
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忙しくてしかないという、とある会社の応接コーナーの応接セットを製作しました。今までは既成のテーブルとイスを使っていたそうですが、物足りなくなってきたそうです。社長さんから要望を聞いているうちに、応接としての役割よりも大切な役割を発見しました。
数年前に建てさせていただいた木造の2階建ての社屋です。今回の工事は、椅子とテーブルなどの造り付け家具を製作しました( 2019.11.23)
2019.11.23
その大切な役割とは、外出していることが多い、この会社の社長さんが、いかに快適に事務作業をこなせるようにすのか、ということでした。
この会社でも、巷で言われている「人手不足」により、依頼された仕事を、断ってしまうこともあるとのこと。
外出していることが多いので、事務作業は休日に出社して行うことも多いとのことでした。
他にも大きな事務机とパソコンがあり、そこでも快適に事務作業ができていて、その事務机を「平日の仕事場」と位置づけました。
対して、ソフトレザークッションのこのベンチを、休日にのんびりと仕事をすることに重点をおいた、「休日の仕事場」と位置づけたのです。
休日ならではと、胡座(あぐら)をかいたり、昼寝もできる。座り方を限定しないベンチを目指しました。
テーブルは移動しやすいように、テーブルの脚にはキャスターを付けました。胡座をかいた時は、テーブルを体の方に引き寄せられるようにしました。
ベンチを一体として製作することできたのですが、大きすぎると配置替えがしにくくなってしまうので、2分割にしました。
また、クッションを持ち上げると、内部は収納になっています。同じ大きさではなく、1:2 の割合にしました。
ベンチとテーブルにより、応接のために使うことももちろんできます。ですが大切にしたかったことは、堅苦しい事務机と違う感じで仕事ができることを、優先させたかったのです。
「来客用の応接コーナーを...」とスタートしたのですが、打ち合わせの中から、隠れていたニーズを見つけ出し、そのニーズの合わせることを大切にしました。
「デザイン」とは、かたちの良し悪しを意味する言葉ではなく、このような一連の手続きを意味する言葉だと、私とは考えています。
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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)
有限会社 大滝建築事務所 代表
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