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私ながらの旅の流儀「徳島散策 2019年版」

〈9380〉

ひとりで旅行に行く時には私ながらの流儀があります。「計画を立てすぎないこと、偶然に期待すること」「ホテルではなく、ホステルを選ぶこと」「関心がなかったことを、何かひとつ学ぶこと」「地元の人たちと交流すること」そして「その後の仕事に、有形無形に役立てること」です。今回の大阪から徳島への旅行でも、この流儀に従いました。

私ながらの旅の流儀「徳島散策 2019年版」

2019年12月の徳島への小さな旅での私の仕事は、私の師匠のお墓参りでした。その師匠が色々と楽しい出会いを御膳たてしてくれたようです( 2019.12.14)

2019.12.14

「計画を立てすぎないこと、偶然に期待すること」

私ながらの旅の流儀「徳島散策 2019年版」

行き当たりばったりの無計画の旅が楽しいと思っています。出発する前に決めておくことは、徳島に到着する時間と出発する時間、宿泊先だけです。18時に徳島駅に到着すると駅周辺を歩きました。旅行者を歓迎してくれたのでしょうか。どこからかピアノの演奏が聞こえてきました。誰でも自由に弾ける、STREET PIANO でした。

私ながらの旅の流儀「徳島散策 2019年版」

駅から少し歩いた所に予約したホステルに向かいます。ホステルに到着してから、明日一日の計画を立てます。ラウンジにあるポスターやパンフレットを見て、ピンと感じた所をWEBで情報収集します。うまくいかないこともありますが、良くも悪くも、思い出ができればいいので。


「ホテルではなく、ホステルを選ぶこと」

私ながらの旅の流儀「徳島散策 2019年版」

私がホステルを選ぶ理由は、安いからだけではなく、ラウンジ(旅行者が集まれるスペース)で、他の旅行者や、ペアレント(施設管理者)と交流できるからです。若い外国人旅行者が多く、そんな旅行者は「ミニマリズム」に徹しているようでした。

私ながらの旅の流儀「徳島散策 2019年版」

オーストラリアから来日し、四国のお遍路をしているという旅行者は、ラウンジの隣りのキッチンに、スーパーのタイムセールで買った食材を並べ、夕食の調理を始めました。ミニマリズム、豊かなものを求めるのではなく、必要最小限までに省略するライフスタイルを、この旅行者から学びました。


「関心がなかったことを、何かひとつ学ぶこと」

私ながらの旅の流儀「徳島散策 2019年版」

ラウンジのソファーに座り、iPadで「徳島市 散歩」と検索してみると、「阿波十郎兵衛屋敷」を見つけました。徳島駅からバスですぐに行ける場所にあり、そこでは毎日「阿波人形浄瑠璃(じょうるり)」を上演しているとのこと、今まで縁のなかった人形浄瑠璃を見たくなりました。

私ながらの旅の流儀「徳島散策 2019年版」

母を探しているという娘が偶然訪ねて来たのに、自分がその母であることを伝えることができない、「傾城阿波の鳴門」の泣かせる場面です。ひとつの人形は 3人によって演じられ、脇には、義太夫と三味線の 2人、計 8人による人形芝居でした。

私ながらの旅の流儀「徳島散策 2019年版」

展示室では地元のボランティアさんが、手作り感満載に説明してくれたのも嬉しかったです。徳島の人々は何百年もの間、自然に寄り添う暮らしの中で、どこにも増して人形浄瑠璃という芸能を、大切にしてきたそうです。


「地元の人たちと交流すること」

私ながらの旅の流儀「徳島散策 2019年版」

得てして旅先では、写真撮影だけを優先してしまい、誰とも話しをしないままになりがちです。地元の人と交流したいと思いながら、徳島駅のひとつ手前のバス停で下車し、西日のさす商店街を歩いていると、「まちなかデザインラボ・とくしま建築学生スタジオ」を見つけました。

私ながらの旅の流儀「徳島散策 2019年版」

中に入ってみると日曜日は喫茶店になるとのこと、建築科の学生さんにコーヒーをいれてもらいました。私は旅行者としてではなく同志として、建築家を目指すおふたりと(彼らには迷惑だったのかもしれませんが...)長く話し込んでしまいました。

私ながらの旅の流儀「徳島散策 2019年版」

おふたりは大学 2年生とのこと、私との年齢差は 35才もありました。楽しい建築談義をする中、建築に対する想いをお互い共感できたのが、何より嬉しかったです。

私ながらの旅の流儀「徳島散策 2019年版」

夕方、学生さんと別れるとホステルに戻ることにしました。ホステルのラウンジで 22時過ぎの深夜バスの発車時刻まで、待たせてもらうことになりました。

私ながらの旅の流儀「徳島散策 2019年版」

ラウンジで仲良くなった方が、夜の徳島を案内してくれることになり、夕食も付き合ってもらうことになりました。思い出がもうひとつ増えることになりました。

私ながらの旅の流儀「徳島散策 2019年版」

関東から徳島に出張に来て、ここに根付いてしまったそうです。彼の知識の広さには脱帽しました。私はと言えば建築の話しかできず、もっと知識を増やさないと... 。なので私のひとり旅には、そんな期待があるのです。

私ながらの旅の流儀「徳島散策 2019年版」

そうそうあとひとつ、旅の流儀を忘れていました。


「その後の仕事に、有形無形に役立てること」

私ながらの旅の流儀「徳島散策 2019年版」

この旅で学んだことを、その後の仕事に繋がるようしたいです。目に入ってくるもの全てに対して、取材するようにたくさんの写真を撮り、メモを取りながら歩いたのは、そのアウトプットのためなのです。

私ながらの旅の流儀「徳島散策 2019年版」

すぐに仕事に活かすことは難しいのですが、いつの日にか有形無形に役立てることを願い、まずはこのオオタキラジオの記事にしておきました。

https://anity.ootaki.info/9380/