1216サイズのユニットバスでも、車いすから移乗できた入浴台(1)
〈9374〉
https://anity.ootaki.info/9374/
バリアフリーではない賃貸マンションのユニットバスに、「浴槽に入れなくてもシャワーを浴びれればいい」と、車いすユーザーの住まいてさんのご要望でした。浴槽全面に車いすから移乗しやすい入浴台を設置し、車いすから移乗しやすくするために、洗い場のシャワーの下にも入浴台を設置しました。
安全にシャワー浴できる様に、ユニットバス(浴室)の浴槽の上に、入浴台(移乗台)を設置しました( 2019.12.13)
2019.12.19
住まいてさんと一緒に、このマンションの現地調査にお伺いしました。このユニットバスを見て既視感を感じました。すぐに気づかなかったのですが、我が家と同じユニットバスでした。1216サイズ(120cm x 160cm)と、狭さもまた同じでした。
入口は、洗い場の奥まで開いてしまうドアなので、バリアフリーなユニットバスではないのですが、住まいてさんの経験上、洗い場のシャワーの下にも入浴台があれば何とかなりそうとのことでした。
実際に入浴する時をイメージしながら、浴槽の奥まで車いすで入ってもらい、車いすにぶつからない位置に目印のテープを貼り、入浴台の大きさを決めることになりました。
正面のシャワーと洗面器を置く棚の間と、浴槽の形状の合わせたものの、計 2台の入浴台を設置することになりました。そもそも、車いすで洗い場まで入れたのは、洗面室のユニットバスの床段差がないからなので、段差がないことが何より大切なことでした。
できあがりました。賃貸マンションなので固定せずに置くだけです。浴槽の上に置くので、高さをこれよりも低くすることはできないのですが、ちょうど車いすの座面の高さと同じだったので、移乗しやすくなりました。
浴槽上の入浴台は、浴槽の曲線にぴったりと合わせました。背もたれと壁との隙間に腕を落として、背もたれに体を引き寄せたり、背もたれに肘を掛けて、背中を伸ばすことができます。
1216サイズのユニットバスでも、車いすから入浴台に移乗することができ、そこでシャワーを浴びることができたとのこと、私もひと安心でした。
「狭さ」というのは欠点ではあるのですが、万一体が倒れて起き上がれなくなった場合、壁を伝って体を立て直すことができる、長所でもあります。
この様な入浴台の欠点は、浴槽内の掃除がしにくくなることです。浴槽上の入浴台は 3組に分割しましたが、それでも大きく重たいので、女性のヘルパーさんでは移動しにくいそうです。
賃貸マンションのバリアフリーリフォームは、退去時の現況復帰のことも想定しないといけないので、大掛かりな工事はできません。なので「何を実現して、何を妥協するのか」を、住まいてさんと打ち合わせすることを大切にしています。
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