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大瀧雅寛 ↘

1216サイズのユニットバスでも、車いすから移乗できた入浴台(2)

〈9370〉

この賃貸マンションの洗面室は、間口は狭く奥行きは長い空間、ユニットバスは 1216サイズ(120cm x 160cm)です。「車いすで使いやすい洗面台にしたい」「浴槽に入れなくてもシャワーを浴びれればいい」と、車いすユーザーの住まいてさんのご要望でしたが、このバリアフリーリフォームで、一番悩んだのが洗面室の間口の狭さでした。

1216サイズのユニットバスでも、車いすから移乗できた入浴台(2)

介助入浴を想定し、洗面室からユニットバス(浴室)に、入浴台(移乗台)を設置しました。賃貸マンション改修です( 2019.12.19)

2019.12.29

1216サイズのユニットバスでも、車いすから移乗できた入浴台(2)

薄型ボウルの「車いす対応洗面」を選びました。間口は 75cm、高さは 75cmを選びました。奥行きは 58cmですが、間口の狭い洗面室でも洗面台に向かうことができました。

1216サイズのユニットバスでも、車いすから移乗できた入浴台(2)

薄型ボウルなので、膝やアームレストがぶつかりにくく、薄型ボウル手前の薄く平らな部分に、両腕を置きやすいです。ボウル底面はフラットなので、コップを置くこともできます。シャワーホースが伸びる水栓です。

1216サイズのユニットバスでも、車いすから移乗できた入浴台(2)

既存の給湯、排水、給水管があり、つま先に当たってしまいましたが、この配管は、退去後の現状復帰のことを考慮し、変更しませんでした。

1216サイズのユニットバスでも、車いすから移乗できた入浴台(2)

洗面室の間口の狭さで困ったことは、入浴台に対して正面から寄り付けないことでした。そこで、洗面室に置く欠き込みのある入浴台は、移動させることにしました。

1216サイズのユニットバスでも、車いすから移乗できた入浴台(2)

入浴する時はまず、手前側の洗濯機の左側に車いすで寄り付きます。その後、介助者が入浴台を移動し、片足ずつ入浴台に上げてもらいます。

1216サイズのユニットバスでも、車いすから移乗できた入浴台(2)

洗面室の床よりユニットバスの床が高くなっていて、敷居には段差がありましたが、入浴台を利用する入浴の場合には問題になりません。

1216サイズのユニットバスでも、車いすから移乗できた入浴台(2)

ユニットバス全面に入浴台を作る場合、車いすの座面よりも高くなってしまいますが、この入浴台は、車いすの座面に合わせることができました。

1216サイズのユニットバスでも、車いすから移乗できた入浴台(2)

というのも、既存の浴槽を撤去できたからでした。このユニットバスは古くなっていたので、「浴槽を撤去処分していい」と大家さんから承諾を得られたのです。

1216サイズのユニットバスでも、車いすから移乗できた入浴台(2)

背もたれと壁との隙間を広くしています。背もたれの上から壁との隙間に腕を落とし、背もたれに体を引き寄せるためです。洗い場のシャワー水栓が、都合よく手元の位置となりました。

1216サイズのユニットバスでも、車いすから移乗できた入浴台(2)

シャワー水栓は、吐水ハンドルが大きいものに交換しました。吐水止水は指だけでなく、手のひら全体で操作できます。シャワーヘッドは手元で一時停止ができる、クリックタイプです。

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