車いすユーザーが使いやすい、L型カウンターとダイニングテーブル
〈9369〉
https://anity.ootaki.info/9369/
車いすユーザーの使いやすさを考えていくと、カウンターやテーブルは既成品ではなく、造り付け家具になります。書斉にはL型カウンターを、LDKにはダイニングテーブルを造りました。どちらも脚の本数をできるだけ少なくし、アジャスターの付いた丸脚にし、車いすを取り替えた時でも、使いやすい高さに調節できるようにしました。
L型カウンターの隅にモニター設置し、左辺は壁面を利用でき、右辺は外の景色で目を休めます。机 、テーブル ( 2019.12.28)
2019.12.29
L型カウンターは各辺が 220cmで、資料をたくさん広げて効率的な作業ができます。その中心の入隅部分が、左右それぞれに寄り付きやすい中心で、そこが定位置になります。
入隅部分のカーブは車いすで寄り付いた時に、体とテーブルとの隙間を少なくするためです。半径を大きくしすぎると奥行きが深くなってしまい、奥まで手が届かなくなります。奥行きは 60cmのカウンターに対して、丁度いい半径にしました。
工房でL字型に製作してしまうと、エレベーターでも階段でも搬入できないので、このお住まいに搬入してから、45度に切断した集成材を金物接合しました。
入隅部分のカーブ付近には脚を立てられないので、代わりにカウンター裏側を補強しました。カウンターの「高さ」は長さや奥行きに対して、例え 1cmでも、その違いを実感するものです。高さは 71cmですが、高さを調整することができます。
書斉の隣りにあるLDKには、素材(ラバーウッド集成材)や塗装(半艶クリア塗装)、デザインを揃えたダイニングテーブルと、ホームシアター対応のAVラックも造りました。
ダイニングテーブルは大きめ(85cm x 180cm)にし、キッチンカウンターの隣りに置きました。高さは同じく 71cmで、高さを調整することができます。
ダイニングテーブルでは食事をするだけなく、ノートパソコンを開いての作業などもしたいので、テレビが観やすい位置が、住まいてさんの定位置になりました。
窓からは作業の目を休めるのに、ぴったりな景色が広がっています。テーブルを検討していて、気づいたことがありました。『窓に近ければいいというものではない』ということ。あまり窓に近いと、明るさが変化しすぎるので、長時間の作業では、疲れてしまうからです。
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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)
有限会社 大滝建築事務所 代表
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