初めてなのに懐かしかった、縁側カフェ tokinoki
〈9327〉
https://anity.ootaki.info/9327/
龍穏寺の大きな山門の先の木橋を渡り、坂道の向こうを見上げると、石垣の上に切り妻屋根。その脇から入り正面の古民家が、「縁側カフェ tokinoki」でした。暖簾(のれん)をくぐると、カフェマスターの村田さんの出迎え。私は初めて訪ねたのですが、祖母の家を訪ねた時のように、とても懐かしく感じられたのでした。
越生という、近くも遠くもないちょうどいい距離にあります、私も常連さんよろしく、お昼のピークを避け、14時頃にお伺いしました。里山のおいしい店です( 2020.07.15)
2020.07.17
越生駅から黒山三滝に続く県道を、龍穏寺の看板を目印に右折し、渓流に沿って2kmほど行くと、龍穏寺の大きな山門が見えてきます。
その先左側の龍穏寺の駐車場の先に、木橋と縁側カフェの楽しい看板がありました。看板の裏側に駐車しました。
私は越生が好きで、たびたび訪ねていますが、その越生にこんな場所があるとは知りませんでした。木橋の上にしゃがみ込み、水の流れに近づこうとしてみました。
細い坂道の上に見える切り妻屋根は、きっと工房でしょう。その手前を右に曲がると、
大きな寄棟屋根の里山の民家が、「縁側カフェ tokinoki」でした。
なるほど、「縁側」カフェなのですね。江戸末期に建てられたそうです。
暖簾(のれん)をくぐると、土間で迎えて来れたのは、工房で見かけるのとは違う、カフェマスターの村田さんでした。
私は初めて訪ねたのですが、祖母の家を訪ねた時のように、とても懐かしく感じられたのでした。
どの席にしようかなと迷っていたら、縁側の端の一番私好みの席を、村田さんが勧めてくれました。
縁側の座布団に腰掛けても、遠くの山まで視線が抜けます。向かい側には離れの工房があって、広すぎない庭は中庭のようです。料理を注文すると庭に出たくなりました。
ビオトープのような池の上を行き来する、トンボを眺めながらの、幸せで贅沢な待ち時間です。
庭から私の縁側の席には、そのまま上がってきました。「これが縁側なのか」と、私は初めて縁側を再発見しました。
さて、縁側ごはんをいただきます。
私は自然が好きですが、それは、手つかずの自然環境が残る深山(みやま)よりも、集落や人里に隣接し、人と自然がお互いに助け合っている里山の方が好きです。この縁側は、人と自然とをつないでくれて、私を心地よくしてくれることに気付きました。
一方、テーブルや椅子などの家具は、その実用的な役割がありますが、もうひとつ、大切な役割があるように思います。それは、家具が「人と住宅とをつなげる」という役割です。家具なしには、心地よい住宅はありえません。
シンプルで飽きのこない村田さんの家具は、江戸の古民家と令和の暮らしとを、優しくつないでいるようでした。人と住宅とをつなげる「家具」の役割は、人と自然とをつなぐ「縁側」の役割と、重なるようにも感じたのでした。
縁側カフェ tokinoki
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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)
有限会社 大滝建築事務所 代表
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