玄関周りの美しさを保ったまま、カーポート・玄関室のバリアフリーリフォームを
〈9248〉
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外壁出隅のボーダータイルのアクセントが美しいお住まい。カーポートの奥が玄関ポーチとなる無駄のない間取り。完成された玄関周りの美しさを保ったまま、車いすで暮らしやすくするバリアフリーリフォーム。室内床面と同じの高さに合わせた玄関ポーチ面まで、カーポート面からリフトで昇降することになりました。
#車椅子ユーザー #ひとりひとりに合わせた #カーポートとつながる玄関ポーチ
2025.04.11
車はバックで駐車するので、運転席は外壁面側になります。車からの乗り降り、段差リフトの乗り降り、その際に雨に濡れない様に、アルミカーポート屋根を作りました。カーポートの天井までの高さは、車の屋根の上に載せた「車いす収納リフト」がぶつからない様に高くしました。
アルミカーポート屋根の2本の柱が必要ですが、柱の位置を規定の位置からずらしました。道路側の柱は「車のドアを開けた時にぶつからない位置」にし、玄関側の柱は「段差リフトにぶつからない位置」にしました。限られたカーポートスペースですが、玄関ポーチの正面に段差リフトを設置できました。
玄関ポーチの正面に段差リフトを設置すると、歩きで出入りする時はどうするか。このお住まいは都合よく、玄関ポーチから脇に降りる階段があり、ここから行き来してもらうことになりました。
1階床のフローリング面の高さに合うように、玄関ポーチをかさ上げすると、リフトの昇降高さは56cmになりました。リフトテーブルが駐車した車に重ならない様に、できるだけ外壁側に寄せました。カーポートの2本の柱も同様に、外壁側に寄せました。
段差リフトのテーブル面の大きさは90cm x 120cm、外壁面に取り付けた手すりに昇降リモコンを取り付けました。
昇降リモコンは玄関ポーチにも取り付け、玄関ポーチからでも操作できます。
玄関ポーチのかさ上げする際、コンクリート打ちタイル貼りとすることが一般的ですが、それでは問題があります。外壁面下部の床下通気スリットを埋めてしまうことになるので、建物の耐久性によくないからです。そこでタイル貼りとせず、樹脂製デッキ貼りとしました。
樹脂製デッキ貼りの下部は空間になっていて、段差リフトの油圧ユニットを収納しています。油圧ユニットはリフト下部にも収納できるのですが、それでは万が一の大雨の際、浸水により段差リフトが故障してしまいます。油圧ユニットはこの様に、高い位置に収納することが最前です。
玄関ドアは、玄関引き戸に取り替えました。軽い力で開け閉めができ、ソフトクローズを付けたので、閉まると自動的に施錠してくれます。
玄関土間はフローリングと平になるまでかさ上げし、タイル貼りとしました。上がりかまちの段差は6mmとしたのは、玄関内で車いすを回転させる際、タイル面だけでは足りず、フローリング面まではみ出してしまうからです。回転する際に一体となる様にと考えました。
限られた玄関室で車いすの回転、外用の車いす置き場とするために、玄関収納は吊り戸棚にしました。玄関収納の下部は床面から1.5m、既成品ではないので、造り付け家具として製作しました。開き扉では使いにくいので、引き違い扉にしました。これも造り付け家具だからできることでした。
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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)
有限会社 大滝建築事務所 代表
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