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賃貸マンションのための「住宅改修」・第1版

〈9244〉

賃貸マンションのためのバリアフリー改修工事を、まとめたパンフレットを作りました。A4サイズ・6ページです。いつも持ち歩いているので差し上げます。大滝建築事務所の仕事は、1級建築士としての知見を活かして全て私が設計をし、大工の弟が責任を持って造りあげます。

賃貸マンションのための「住宅改修」・第1版

#住まいてさんに合わせる「住宅改修」 #大滝建築事務所の仕事

2025.05.30

共用廊下を通り抜けできる、 高さ7cmの「丘」の様なアルミスロープ

共用廊下を通り抜けできる、 高さ7cmの「丘」の様なアルミスロープ

このマンションの玄関ドアは共用廊下との段差が9cmありました。玄関の中にも上がり框の段差があり、車いすでの出入りが困難でした。そこで共用廊下に、高さ7cmの「丘」の様な形状のアルミスロープを設置し、その上に高さ2cmのミニスロープを載せ、玄関内の土間全体もスロープにしました。


マンション玄関ドアの敷居段差(2)3cmの段差

マンション玄関ドアの敷居段差(2)3cmの段差

この住まいてさんは全てを自分でするのではなく、介助サービスを受けることを想定し、このマンションを選んだとのことでした。バリアフリー全ての条件が満たされていなくても、バリアが多少残ったとしても、暮らし方で対応できると決断したそうです。バリアフリーのゴールをどこに定めるのかによって、マンション選びは変わってくるのです。


先端をできるだけ薄くした、玄関土間にぴったり合わせた木製玄関スロープ

先端をできるだけ薄くした、玄関土間にぴったり合わせた木製玄関スロープ

マンション暮らしを始める方から、バリアフリーリフォームを依頼されました。賃貸マンションなので現状復帰できる範囲内で、まずは玄関の上がりかまちの段差を解消したいとのこと。「スロープの先端をできるだけ薄くしてほしい」とのご要望に対し、スロープ先端を5mmと薄くすることができました。


マンションの9cmの上りかまち段差、スロープの長さを原寸大模型で考える

マンションの9cmの上りかまち段差、スロープの長さを原寸大模型で考える

ようやく見つかったこのマンションは「バリアフリーマンション」で、車いすユーザーでも使いやすい間取りでしたが、玄関の上がりかまちに9cmの段差がありました。この段差を解消するスロープを造ることになりましたが、スロープの長さを図面上で決めるのは難しく、長さの異なる3タイプの仮設スロープを現地に持ち込み、住まいてさんに確認してもらうことになりました。


マンション選びのポイントは、広くなくても「横向きトイレ」

マンション選びのポイントは、広くなくても「横向きトイレ」

住まいてさんがマンション選びで大切にしたのは、トイレの長辺が廊下に面している「横向きトイレ」であることでした。片開きドアを3枚引き戸に造り替えると、開口幅が79cmと広くなりキャスター付きの椅子で入れる様になりました。広くなることだけが長所でなく、戸を右側から開けると便器横からの介助がしやすくなります。この様に使えることも横向きトイレの長所です。


マンションの横向きトイレ、 片開きドアを「3枚引き戸」に造り替え

マンションの横向きトイレ、 片開きドアを「3枚引き戸」に造り替え

トイレの広さは1帖弱でしたが「横向きトイレ」でしたので、大きなリフォームは必要せず、片開きドアを3枚引き戸に造り替え、手すりを取り付けるだけで済みました。『横向きトイレはバリアフリー』だとつくづく感じました。3枚引き戸は広い開口幅が得られので、車いすユーザーにはピッタリです。


賃貸マンションの洗面室を、現状復帰できる範囲でバリアフリーリフォーム

賃貸マンションの洗面室を、現状復帰できる範囲でバリアフリーリフォーム

車いすユーザーが暮らし始められる様に、3DKの賃貸マンションを最低限のバリアフリーリフォームしました。ドアを取り外しカーテンに、洗面化粧台を車いすで使いやすい下部が開口になっている化粧台に、ユニットバスでは入浴台を浴室全面となる様に、洗い場だけでなく浴槽の上にも設置しました。


十分な広さのないマンションの洗面室、 洗濯機の向きを変え、廊下を活用する

十分な広さのないマンションの洗面室、 洗濯機の向きを変え、廊下を活用する

車いすユーザーが使うには、この洗面室は十分な広さではありませんでした。洗面室で解決したかったことは、洗面化粧台と洗濯機、廊下からの出入り口でした。できる限り現況を残し工事少なくする方法を考えました。「洗濯機の位置を変えずに横向きに置けば、洗濯機を廊下側から使えるのでは」とひらめき、洗面室入口を引違い戸に替え、戸を左右に開くことができる様にしました。


畳の上にウッドカーペットを敷き込むだけで、 和室を寝室にする

畳の上にウッドカーペットを敷き込むだけで、 和室を寝室にする

賃貸マンションではLDKの隣に和室がある間取りが多いです。このお住まいもLDKの隣りに6畳の和室があり、寝室にすることになりました。和室なので畳敷きの床、ベッドを置くならばフローリングにしたいところですが、現状復帰の費用も考慮する必要があります。畳からフローリングに貼り変えるのではなく、畳の上にそのままウッドカーペットを敷き込むだけとしました。


和室の畳をクッションフロアに張り替え、ベッドからトイレへつながる手すり

和室の畳をクッションフロアに張り替え、ベッドからトイレへつながる手すり

この住まいには思い入れがあります。私が「加齢に備えた住まい」を意識した最初の住まいだからです。1998年の竣工から22年、この和室を寝室にしているお母様から、「最近、布団からの立ち上がりに時間がかかる様になったので、布団からベッドに替えたい」と、床や手すりの住宅改修を頼まれました。


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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)

有限会社 大滝建築事務所 代表

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