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The child is father of the man(こどもはオトナの父)

〈9239〉

まるで子どもが一心に描いた様な自由なモザイク壁画。丸の内の東京會舘のロビーに入ると目を奪われ近づき、思わず手で触れてしまった私もまた、子どもそのものだった。なんて自由なんだろう。なんて迷っていないのだろう。「私の中の小学生」子どもの心を持ち続けるとは、こういうことなのか・・・

The child is father of the man(こどもはオトナの父)

#子供のころの純真な心を #いつまでも持ち続けたい #こどもはオトナの父

2025.10.03

The child is father of the man(こどもはオトナの父)

親戚一同で新年会を開こうと、2010年2月に丸の内に集まり散策をした。おすすめのスイーツがあるからと、東京會舘に入った。エントランスの正面奥の壁画と、私は対峙した。近づくとそれは描かれたものでなく、白や赤のモザイクタイルが散りばめられた、鮮やかなモザイク壁画だった。『都市・窓』猪熊弦一郎。

The child is father of the man(こどもはオトナの父)

「早く来てよ。みんな喫茶店で待ってるよ・・・」と、モザイク壁画の前でいつまでも立ち止まる私を、家内が迎えに来た。「わかった」と返事をした。そうだと私は思った。司馬遼太郎から小学校教師への手紙の中にあった、「こどもはオトナの父」とはこのことなのだと・・・

「こどもはオトナの父」

ふしぎですね。小生は8月で七十という頽齢(たいれい)ですのに、中身にはたっぷり小学生がいます。

「こどもはオトナの父」という英国のたれでしたか、そのように言ったことばを思いだします。

私の中の小学生が、物や事を感じさせてきて、私のなかのオトナが、それを論理化し、修辞を加えてきたに過ぎないのかと思ったりします。

神山育子『こどもはオトナの父―司馬遼太郎の心の手紙』朝日出版社 1999

著者(小学校教師)は、司馬遼太郎の「洪庵のたいまつ」と「二十一世紀に生きる君たちへ 」を、授業の教材にした。授業を終え子どもたちの感想を司馬遼太郎へ送った後、司馬遼太郎から届いた心温まる手紙だ。今も時折読み返している。

The child is father of the man(こどもはオトナの父)

「英国のたれ」とは、イギリスの詩人、ウィリアム・ワーズワースのことで、「こどもはオトナの父」は、詩「虹(My Heart Leaps Up)」の中に見つけた。

「The child is father of the man」

空にかかった虹に自然の偉大さと、それを前にした人間の敬虔な気持ちの大事さを歌う。

The Child is father of the Man は、文字通りには「子どもは大人の父」という意味だが、子どもの頃に抱いた抱負が、その者の大人になったときの姿勢を、きめるということをいいたいのだろう。

ウィリアム・ワーズワースの詩「虹」My Heart Leaps Up を読む。(壺齋散人訳)

The child is father of the man(こどもはオトナの父)

もっとも、心にコドモがいなくなっているオトナがたくさんいますが、それはもう、話すにも値いしない人間のヒモノですね。

神山育子『こどもはオトナの父―司馬遼太郎の心の手紙』朝日出版社 1999

The child is father of the man(こどもはオトナの父)

「三つ子の魂百まで」と言ってしまうと、少し意味が違うように感じる。子供のころの純真な心を持ち続け、そこから学びとったことは後に大人になったとき、様々な場面で有形無形に表れていることと思う。

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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)

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